道に迷った。




 迷ったら




歩き過ぎて足が痛い。
周りは素知らぬ世界で、今何処にいるのか分からない。
ビルの群とか人混み、
巨大なスクリーンから流れる出る音、
全てのモノが非現実的に見えた。

隣に君がいないだけなのに。

いつもなら電話すれば君はすぐに来てくれる、
急いで、
走って、
場所なんて分からなくても。
でも今は喧嘩中で、そんな事も出来なくて、
独りなんだと、実感させられる。

ねぇ、どうしたらいい?

君に謝りたいのにこの変な意地とプライドが邪魔して、どうしても通話ボタンが押せないんだ。
頭の中ぐちゃぐちゃで、涙まで溢れそうになるんだ。

ねぇ、どうしたらいい?

目の前には沢山の知らない道、沢山の知らない人。



怖い。



でも、
今頃心配して探してくれるかな、なんて君が来てくれる事期待してる自分がいて、みっともなくて嫌になる。
人があんまりいないところにうずくまって、
どうしようって思いながら君を待ってるんだ。

サイアク。


だけど立ち上がらなきゃ、君が来てくれる限り。


サイアクで、無様で、
例えその姿がどれだけみっともなくても、
隣で笑っていたいから。

立ち上がる、前を見る。

正しいとか間違ってるとか、そんなの考え過ぎてもう分からないし、どっちだって構わない。
自分で選んだこの道を、後悔するとは思わないから。
後悔しても何度でも立ち上がって、

君のいる方へ、歩くよ。

だから、
道に迷った時、足が痛くて歩けなくなったら君を待とう。
知らない道でも君となら、僕らの道に変わるから。


大丈夫、僕はまだ君への道は見失ってないから。