マッチ 僕が君に与えられる温もりは、 ほんの一瞬でしかない。 両手一杯程の、赤い赤い光。 それは温もりと呼ぶには熱すぎて、 いつも君を傷付けてしまう。 その赤は永遠の筈なのに、僕には一瞬で。 君に笑っていて欲しいって、 そのエゴが君を傷付けて泣かせたのだって本当は気付いていたの? 僕が残せたのは、黒い痕と醜く煤けた亡骸だけでした。 ← →