マッチ


僕が君に与えられる温もりは、
ほんの一瞬でしかない。

両手一杯程の、赤い赤い光。

それは温もりと呼ぶには熱すぎて、
いつも君を傷付けてしまう。


その赤は永遠の筈なのに、僕には一瞬で。


君に笑っていて欲しいって、
そのエゴが君を傷付けて泣かせたのだって本当は気付いていたの?



僕が残せたのは、黒い痕と醜く煤けた亡骸だけでした。